雄大な北海道で
大自然のチカラを、
暮らす人々の強さを感じた。

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今回のテーマは
「響き合うハーモニー」とした。

僕がセブン‐イレブンの「近くて便利」ブランドコミュニケーションを手がけ始めて、9年目になる。実に、今回でコンセプト映像は17本目だ。
セブン‐イレブンがなぜ、これほどまでに日本中に支持されているのか?
それは、2万店をこえるお店、そこで働く従業員はもちろん、食材の生産者、工場、配送、建築…など、それぞれ数え切れない役割の仲間たちがよりいいものを目指して、頑張っている結果だ。
さらに、食材や環境など、人と地球に調和するやさしいおいしさや、設備、システム…などなど。
今回のテーマを「響き合うハーモニー」とした。

気温40℃近い東京から、
12℃の北海道に、震えてロケは始まった。

今回のロケ地は、8月の北海道。
40℃近い「命の危険を伴う暑さ」の関東から、飛行機が到着し、外へ出ると、8月とは思えない涼しさ。というか、寒さ。気温を聞けば12℃だ。半袖のTシャツと短パンでやって来たことが悔やまれる気温。翌日、どこかで長袖と長ズボンを買わなければ、と、焦る。今まで何度も痛い目にあったのに。ロケの敵は「寒さ」だ。

広大な大地が作り出す自然の音、豊かな自然が生み出す酪農、農業、水産業。
移動中も山並みから抜ける空を見上げたり、朝の澄んだ空気の中、牛の鳴き声を聞いたり。
普段のくらしの中では触れていない、多くのハーモニーを感じる撮影となった。

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映像に散りばめたのは、自然の音、
たくさんの素朴な歌声、その重なり。

忌野清志郎さんが歌う「デイ・ドリーム・ビリーバー」をいろんな人々が歌い繋ぐ。
多種多様な人々に協力して歌ってもらうという、いつもと違う撮影シーンだ。
歌うシーンを撮るとき、ほほえましく感じていたのは、みなさんのちょっと気恥ずかしそうな笑顔。上手な笑顔もいいけれど、照れくさいささやかな笑顔が、またいいんだよなぁ。

小学生の野球少年たち、高校の合唱部、バスの運転手さん、大学のカーリング部、配送センターや工場の皆さんに、もちろん店舗の従業員の方々にも歌ってもらった。
最初は横の仲間の顔を伺いながら、小さな声で。でも、何回か繰り返すうちに、体も揺れていく。表情がほぐれていく。
みんなにリラックスしてもらいたい、大きな声を引き出したい。撮影スタッフもカメラの前で体を揺らしてリズムをとり、笑いながら一緒に大きな声で歌った。

歌うシーンを撮影した後は、なんだかみんな幸せな気分。歌い終わった後に、出演者と撮影スタッフ、全員笑顔が生まれるような撮影だった。

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なぜ、ロケ地は北海道?
ちょっとした理由があった。

「響き合うハーモニー」このテーマに北海道が選ばれた理由がある。自然と人との調和、広大な食材の宝庫、雄大な自然とそれらが作り出す音、それが北海道だ。
たとえば、水しぶきが激しい渓流下りの撮影にも挑戦。
選ばれたのは、若手の撮影スタッフたち。ゴムボートにカメラマンや音声チームが乗り込み、水のぶつかる音や岩肌の迫力のある映像を撮影した。
弾けるような小気味のよい音。札幌国際大学カーリング部のカーリングストーンの音だ。滑りながら静かにストーンを手から離し、かけ声があがる。ストーンは微妙に曲がりながら、そして、カコン、と耳なじみの良い石の音。
「おれも、できるんじゃない?」と、撮影スタッフも興味をひかれ、やらせてもらっては、ひっくり返って笑われる。

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撮影が終わり、地震が来た。
でも、そこに生きる人々は、
チカラを合わせ挫けない。

今回の撮影を通して改めて感じたことは、ハーモニーの魅力は、ひとつの音では決して表現できないチカラの重なりだということ。
ひとつひとつ、それぞれの個性が重なり、やがてそれが大きなハーモニーとなっていく。
撮影が終わり、東京に到着して数日後、北海道を巨大な地震が襲い、大きな被害があった。僕らは、驚き、悲しく、そしてしかし信じている。雄大な北海道に生きるタフな人々は、お互いが手をつなぎ支え合い、復興し、前進していくに違いない。大自然の北海道には、そんなチカラを感じる。

永澤仁/クリエイティブディレクター(海の家)

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  • クリエイティブディレクター

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    永澤 仁 海の家 クリエイティブディレクター

    「近くて便利」クリエイティブについて考えたこと

    セブン‐イレブンが向かう先は?

    日本にコンビニエンスストアという事業を拓き、日本全国津々浦々に店舗があるセブン‐イレブン。いまの時代において、その役割は大きく変わりはじめている。掲げるタグライン「近くて便利」、その「近さとは、生活者の心理距離」「便利とは、品質」と解釈し、そして、日本のまいにちの生活に溶け込んだ、なくてはならない存在として「日本のおいしい食卓へ」というキーワードを開発した。

    たとえば、お年寄りなど、生活者たちにとって、セブン‐イレブンの今日的な価値。それを、日本の原風景と調和する懐の深い表現をすることで、生活者を後押しし、さらには店舗のオーナーたちの誇りにつながると考えた。もちろん、映像ひとつひとつの密度がなによりも重要だ。日の出に重なるボールサイン、電車と並走する自転車の女子高生、つねに、撮影は長時間、日の出前から深夜にまで及ぶ。

    日本最大の流通企業であるセブン‐イレブンは、もはや日本の生活インフラだ。その自らの責任を心に刻み、ブランドの根幹を担うコミュニケーションであり、その先の、日本のしあわせをちょっとでもふやす試みだと、僕は、信じている。

    永澤 仁

  • 監督

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    清水 亮司 株式会社ロボット クリエイティブディレクター、CMディレクター

    東京で生まれて、東京で育った。

    妻は九州大分の出身で、「あなたに地方で生まれた人間の気持ちはわからない」などと言う。確かに経験がないのだから、わからない。

    セブン‐イレブンは、いまやほぼ日本中にある。そしてこの「近くて便利」のCMも日本中で流れている。同じCMを、四国で見る人、東北で見る人、九州で見る人、関東で見る人、北海道で見る人、関西で見る人、がいる。

    我々がCMのために撮影した風景や、商品や、家族の姿や、その笑顔を日本中の人々が皆同じ気持ちで見ているとは限らない、とは思う。

    でも、日本に生まれ、育ち、あるいは暮らす人ならば、同じ想いで「きれいだね」とか「おいしそう」とか「楽しそう」と感じてくれる映像があるはずだ。

    人の気持ちはいまだにわからない。自分の気持ちでさえわかっている自信がない。わからないけれど、そんな人と人とが同じ何かを感じ共有できる瞬間がある。と信じて今日も、風景や、商品や、人に向き合ってこの「近くて便利」のCMを作っています。