正月料理【おせち】はなぜ食べるの?歴史と伝統から知る【おせち】の【意味】と【由来】
コラム
お正月の定番料理「おせち」は、日本の伝統的な食文化のひとつです。おせちには、それぞれ意味や由来・歴史があります。
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おせち料理の起源
歴史を遡ること、約2,000年前の弥生時代。お米作りが日本に伝わり、収穫された稲穂などを神様にお供えする習慣が生まれました。その後、中国から暦とともに節句が伝わると、奈良・平安時代には宮中行事となり、儀式の後に「節会」と呼ばれる饗宴が催されるようになりました。この節会で食べる食事が「御節供」と呼ばれ、おせち料理のルーツとなりました。
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庶民への広がり
江戸時代になると、五節句が幕府によって公式な祝日と定められます。中でも、お正月は特に重要な節句とされ、お正月の御節供が「おせち」と呼ばれるようになり、庶民にも広まりました。
江戸時代後期には、お煮しめや重箱に詰めた「祝い肴」が作られるようになり、現在のおせち料理の原型が確立しました。祝い肴とは、祝いの膳に用いる酒の肴のことです。お正月料理の場合には、「数の子」「田作り」「たたきごぼう」「煮豆」などが一般的で、現在にも受け継がれています。
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華やかなおせちへ
明治以降、おせち料理はさらに発展しました。
縁起のよい食材や祝いの席にふさわしい料理が盛り込まれ、昭和になると、「祝い肴三種」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」の五種類で構成される豪華なおせちが定着しました。そして、「お正月料理」のことを「おせち料理」と呼ぶようになり、重箱に詰めるのは「福が重なるように」という意味も込められ、たくさんの料理をコンパクトに保存できることもあり家庭に広く普及しました。
おせち料理の品々には、それぞれ縁起を担いだ意味が
込められています。
- 写真はおせち料理・食材のイメージです。
商品とは異なります。
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祝い肴
おせち料理に欠かせないとされる3種類の料理で、「祝い肴三種」「三つ肴」とも呼ばれます。
地域によって違いがありますが、関東では「黒豆」「数の子」「田作り(ごまめ)」が、関西では「黒豆」「数の子」「たたきごぼう」が多いそうです。 -
その他の料理・食材
両端が細いこの形には意味があります。
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お正月などのお祝い事によく使われる「祝い箸」。
両端が細く、どちらからでも使える独特の形をしていますが、この形には深い意味が込められています。
祝い箸は、片方を人が使い、もう片方を神様が使うと考えられています。これは、神道に由来する「神人共食」という考え方からきています。「神人共食」とは、神様と人が同じものを食べ、一体となることで、神様の力をいただくという意味です。
- 写真はイメージです。