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Vol.5知って欲しいアレルギーのこと

発症したことを
責めないで

アレルギーについて知っておきたいことを、認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク 事務局長 専務理事 赤城 智美氏にお伺いしました。

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    認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク

    事務局長 専務理事

    赤城 智美

  • 認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク

    事務局長 専務理事

    赤城 智美

    1993年にアトピッ子地球の子ネットワークを設立。人と自然がよりよく共存することを願い、食物アレルギーの子もそうでない子も皆で楽しく過ごせる環境教育キャンプを120人規模で例年開催。1995年以来、大規模災害時に食物アレルギーの人への食料支援を行うほか、新型コロナ禍で経済困窮した人やひとり親家庭へのアレルギー用粉ミルク・アレルギー対応食品の無償提供も2年継続して行った。学校・自治体・食品企業などでの講演活動にも取り組んでいる。

誤食した経験から みんなが学べることがある

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  • 予後が悪いと怒られる病気?

    10後半~20代前半の食物アレルギーがある人に話を聞いています。

    試合前日、昼食の原材料を見落としてアナフィラキシーショックを起こし救急搬送。翌日、試合には出れず見学したら「誤食したお前が悪い」と部活動の顧問からみんなの前で罵倒された。アナフィラキシーショックを起こした数日後、体調は回復したものの声がしゃがれてうまく発声できずにいると「態度が悪い」と音楽の先生に叱責された。など、つらい経験が話題になりました。

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  • 食品表示はシンプルだけど難しい?

    食べ物を口にするたび原材料を確認し、1日に何度も緊張しながら食事している食物アレルギーの人にとって、「誤食」はとてもつらい出来事です。本人がどれだけ注意していても「誤食」を避けるのは困難だと、子どもと関わる大人に理解されていないことが残念でなりません。

    アンケートを取るといろいろなことに悩みながら食品を選んでいることがわかります。

    • 出典「富士通・NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク協働事業 9日間Webアンケート」 回答151人/患者数196人(2017年9月実施)
    • アンケート実施時のアレルギー表示は27品目。現在は28品目。
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  • 勘違いや見落としにも理由がある

    パッケージに表示がないのに食べてしまったり、予期せぬ混入によって発症してしまうこともあります。これは製造者や販売者のさらなる努力が必要です。勘違いや表示の見落としは、食物アレルギーの人が消費者として「落ち着いて食品表示をみる」必要があることを再確認させられます。

    誤食の勘違いや見落としの原因をひとつひとつ紐解いていくと「透き通ったパッケージに白文字で印刷されていた(読みにくい)」「水分が多い総菜パッケージの底に原材料表示があった(探しにくい)」「特売シールで一括表示が隠れていた(見えない)」など、患者の努力だけでは解決できない課題も明らかになることがあります。

おしえて!赤城さん

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  • Q 食物アレルギーは遺伝しますか?

    A 体質は受け継ぐことはありますが、病気が遺伝するわけではありません。アレルギー体質を親から受け継いだとしても、腸内環境や生活習慣、生活環境、偏りなく食べ物を食べるなど、たくさんのことが影響して発症を予防したり、軽減させることができると指摘する専門家もいます。

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