トップ商品のご案内食の安全・安心への取り組み【専門家に聞く】食の安全と安心を科学する 食の安全・安心はリスクを理解することから

Vol.1【専門家に聞く】食の安全と安心を科学する

食の安全・安心はリスクを理解することから

イメージ
  • 画像はイメージです。

「食の安全・安心」という言葉をよく耳にしますが、「安全な食品」「安心できる食品」とはどのような食品だと思いますか?「リスク」と「安全」の関係をご存知でしょうか?食のリスクに詳しい山崎 毅氏に「食の安全・安心」について解説していただきました。

  • イメージ

    NPO法人 食の安全と安心を科学する会(SFSS)

    理事長

    山崎 毅

  • NPO法人 食の安全と安心を科学する会(SFSS)

    理事長

    山崎 毅

    リスク学者/獣医学博士/東京大学農学部卒。

    専門分野:食のリスクコミュニケーション

    我々が本当に回避すべき食のリスクとは?気になる食の安全・安心の話題を科学的根拠とともに解説します。

Q1 食の安全とはリスクがないこと(ゼロリスク)ですか?

  • イメージ
  • ちょっと違いますね。我々が毎日食べている食品には必ずリスクが存在します。リスクとは「将来的に発生するかもしれない危険の度合い」をいいますので、必ずしも危険(事故)に遭うとは限りません。生魚を食べるときは、食中毒のリスクがあります。生魚の保存状態が悪いと、食中毒のリスクは大きくなりますね。

  • 安全の定義

    たとえば…ある卵アレルギーの患者さんにとって 許容できないリスクが残っていたら「安全」とは言えない 生卵はリスクが大きすぎて安全とは言えない 生卵の黄身だけでもリスクが許容できず安全とは言えない 許容可能なリスクが残っていても「安全」と言ってよい 加熱調理した卵ならリスクは許容水準以下で安全 卵が入っていない食品ならゼロリスクで安全
    • あくまでも一例です。すべての卵アレルギーの方に当てはまるわけではありません。

  • 実は、食品中にリスクが残っていても「許容可能な範囲」であれば「安全」と言えるのです。お寿司屋さんでは、生魚を提供しているからリスクがあり「安全」ではないのかというと、リスク管理がきちんとできていれば「安全」です。さらにそのお寿司屋さんが「信頼」できるお寿司屋さんなら「安心」ですよね。「安心」は主観的なものなのです。

Q2 食のリスクの大小は何で決まるの?

  • イメージ
  • リスク管理ができていれば「安全」と上述しましたが、天然の食材はどうでしょう?天然の食材は、国によるリスク評価・リスク管理が万全ではありません。調理者が誤ると食中毒のリスクが高まります。よくフグやキノコで食中毒が起こりますし、生肉の加熱が不十分でもリスクが大きくなってしまいます。

  • リスクのトレードオフ

    イメージ
    • あくまでも一例です。添加物不使用だと必ず食中毒が起こるという意味ではありません。

  • それに比べると、リスクが大きいとよく勘違いされる食品添加物は国による綿密なリスク評価・リスク管理下にあり、リスクは無視できるほど小さいと専門家は評価しています。

まとめ食品中の何が大きなリスクか理解しましょう

  • イメージ
  • 食品成分のうち何が大きなリスクなのか、科学的にリスク評価・リスク管理されているものほど安全性が高まるなど、理解できたでしょうか?健康被害が頻発している微生物汚染や自然毒に比べて、リスク管理が十分に行われている食品添加物や残留農薬などは、「許容可能な範囲」で使用されており安全性は高いと専門家も評価しています。

イメージ

おすすめリンク

  • イメージ
  • 「なるほど」食の知識 食品添加物ってなに?

    食品添加物とは、食品を製造するときや食品の加工・保存の目的で使用されるもので、私たちの生活の身近なところで使われています。食品添加物を使用するときは、目的に合わせて使い分けられます。

    続きはこちら>>

  • 写真やイラストはイメージです。