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- 認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク事務局長 専務理事
- 赤城 智美氏
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1993年にアトピッ子地球の子ネットワークを設立。人と自然がよりよく共存することを願い、食物アレルギーの子もそうでない子もみんなで楽しく過ごせる環境教育キャンプを120人規模で例年開催。1995年以来、大規模災害時に食物アレルギーの人への食料支援を行うほか、新型コロナ禍で経済困窮した人やひとり親家庭へのアレルギー用粉ミルク・アレルギー対応食品の無償提供を現在も継続して行っている。学校・自治体・食品企業などでの講演活動にも取り組んでいる。
オープンな自己紹介の場では言わなくなる年ごろ

小中学生の頃、担任の先生に促されてクラス全員の前で食物アレルギーがあることや、原因となる食物を間違って食べるとどんな症状になるかなど、説明した経験のある人はたくさんいるのではないでしょうか。高校生になると各自で購入したものやお弁当を食べるため、食物アレルギーがあることをクラスメイトに説明する機会がなくなります。
行動範囲の広がりが課題になる

親しい友人と買物に行ったり映画を見たり、時には日帰りで遠出をするようになると外食の必要が出てきます。夏休みの宿泊旅行や卒業旅行を計画するような年齢になると、外食も1度だけやり過ごせばいいという状態ではなくなります。アレルゲンを間違って口にしないためには用意周到な食事計画が必要です。気ままな食べ歩きも困難な課題になってしまうこともあります。
さまざまな思いがあって伝えることになる

友人に初めて食物アレルギーのことを説明するのは、こんなピンチの時かもしれません。ともに楽しい時間を過ごしたいけれど、それを手に入れるためにはたくさんの準備が必要な場合もあります。「みんなは気にしなくていいけれど、私がそんな状態にあることを知っていてほしい」という思いの時もあれば「食べられるお店を探さなければいけないから協力してほしい」という思いがあって説明する時もあります。
いざという時に助け合える関係になれるのか

アナフィラキシーを起こした時に使う、エピペン®(という注射薬)を処方されている人は、間違ってアレルゲンが含まれているものを食べてしまったら、エピペンを使わなければならないことや、場合によってはそばにいる人にエピペンを使って救命してほしいと伝えなければなりません。鞄のどこにしまってあるのか、救命のためにすべきことはどんなことか、伝えることがたくさんあります。実は私は食物アレルギーがあって…と話し始める時、いざという時に助け合える友だと信じて心を開いていることを知っていてください。
- NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク「食物アレルギーの人を応援するレジャーシート」より
- 詳しく知りたい方はこちら:食物アレルギーの人を応援するレジャーシートを製作しました。| NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク
おしえて!赤城さん

Q. 身近な人が食物アレルギーなのかも?と感じた時、どんな声がけをしたらいい?
A.「私は食物アレルギーについて詳しく知らないけど、勇気を出して言うね。もしかして食物アレルギーがある? それを説明しそびれて困っていることがあるなら教えてほしい。あなたが困っているのを知らないふりはできないし、私でも手伝えることがあるかもしれないから。」
というように、率直な気持ちを伝えると良いと思います。