一緒に学ぼう!食品表示 食品表示の見方 Q&A ~「期限表示・保存方法」について~

知って得する食品表示の見方を専門家がわかりやすく解説します。

期限表示(消費期限・賞味期限)は、お買い物の際に多くの方が確認する項目です。今回は期限表示と保存方法に関するギモンにお答えしていきます。知って得する食品表示の見方を、Food Communication Compass代表の森田 満樹氏と一緒に学んでいきましょう!

森田 満樹氏の画像
一般社団法人 Food Communication Compass 代表
森田 満樹

東京海洋大学・大妻女子大学非常勤講師/消費生活コンサルタント。国の「コーデックス連絡協議会」、農林水産省「食品の安全性に関するリスク管理検討会」、消費者庁「食品表示懇談会」などの委員。食品安全、食品表示、消費者問題について講演・執筆活動を行っている。

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消費者と「食」にかかわる人のための新しい食品表示がわかる本森田満樹/著

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Q1. 「期限表示」と「保存方法」について教えてください。

期限表示の例 ふんわりメロンパン 消費期限 24.07.18 午後3時(表ラベル) 消費期限 別途おもて面に記載(裏ラベル)

容器包装に入った加工食品には、その日を過ぎると食べない方が良い期限「消費期限」か、おいしく食べられる期限を示す「賞味期限」のどちらかが表示されています。これら期限表示は「消費期限 枠外右下に表示」などと記載され、離れた場所に印字されている場合もあります。

保存方法は、一括表示の枠内に「要冷蔵(10℃以下で保存)」などと記載されています。保存条件を守れば期限まで品質が保たれますが、条件を守らない場合は期限前でも品質が損なわれることがあります。期限表示とセットで確認するようにしましょう。なお、開封後の保存方法は枠外に「開封後は冷蔵庫で保存し、お早めにお召し上がりください」と記載されることもあります。

Q2. 「消費期限」と「賞味期限」はどう違うの?

消費期限と賞味期限の違い 「消費期限」安全に食べられる期限 弁当・刺身・生肉・総菜など 期限を過ぎると食中毒などのリスクがある・「賞味期限」おいしく食べられる期限 スナック菓子・インスタント食品・ヨーグルトなど 風味や品質が保たれている期間

「消費期限」は安全に食べることができる期限で、お弁当など傷みやすい食品に表示されます。この日を過ぎたら食べない方が良いでしょう。
「賞味期限」は品質が変わらずおいしく食べられる期限で、スナック菓子など傷みにくい食品に表示されます。未開封で表示された保存方法を守っていれば、この期限を過ぎたからといって、すぐに食べられなくなるわけではありませんが、品質は保証されません。

消費期限・賞味期限ともに「年月日表示」が基本ですが、賞味期限が長い食品では「年月表示」になることもあります。最近は食品ロス削減が大きなテーマとなっているため、店頭で期限の早いものから選ぶ「手前どり」が呼びかけられています。一人ひとりが心がけることで、食品廃棄を減らすことにつながります。

Q3. 期限を過ぎた食品は、いつまで食べられる?

消費期限と賞味期限の違いを品質の変化で示すグラフ。縦軸は品質、横軸は製造日からの日数。赤線は痛みやすい食品で消費期限を過ぎると食べない方が良い。緑線は日持ちする食品で賞味期限を過ぎてもまだ食べられる場合がある。

食品の種類や保存方法によって異なるため、一概には言えません。常温保存でも家庭の台所が30℃を超える高温になる場合もありますし、10℃以下の冷蔵庫保存の場合もその温度が保てないケースもあります。

メーカーに問い合わせると「未開封なら期限が過ぎても〇〇くらいまでは食べられる場合もあります」と具体的に案内されることもあります。また、「においをかいで確認してください」「加熱調理してお召し上がりください」などのアドバイスがウェブサイトで案内されていることもありますので参考にすると良いでしょう。一度開けてしまった食品は、期限に関係なく早めに食べるようにしましょう。

マメ知識アイスクリームに賞味期限が書かれていないのはどうして?

品質変化が少ないものは賞味期限を省略できます。

品質劣化が極めて少ない食品、アイスクリーム、砂糖、食塩、うまみ調味料、酒類などは、賞味期限の表示を省略することができることになっているからです。ただし、消費者からの問い合わせが多い場合は自主的に表示しているケースもあります。

常温保存が可能な食品でも、光、湿度などの条件で品質が変わる場合は「直射日光、高温多湿を避けてください」といった表示が必要です。保存方法が悪いと品質が保てないこともあるからです。

期限表示や保存方法は、食品事業者が科学的根拠(微生物検査、理化学検査、官能試験など)に基づいて設定しています。これらが間違っていたり、安全性を損なうような表示は食品表示法違反となり、リコール(自主回収)対象になることもあります。
消費者も一番よく確認する表示項目であり、その意味をよく知っておきましょう。

  • 商品は販売中の商品とは規格が異なる場合があります。
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