Vol.2知ってほしいアレルギーのこと
食物アレルギーの原因食物 (木の実類)
Vol.2知ってほしい
食物アレルギーの原因食物 (木の実類)
アレルギーについて知っておきたいことを、認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク 事務局長 専務理事 赤城 智美氏にお伺いしました。
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認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク
事務局長 専務理事
赤城 智美氏
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認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク
事務局長 専務理事
赤城 智美氏
1993年にアトピッ子地球の子ネットワークを設立。人と自然がよりよく共存することを願い、食物アレルギーの子もそうでない子も皆で楽しく過ごせる環境教育キャンプを120人規模で例年開催。1995年以来、大規模災害時に食物アレルギーの人への食料支援を行うほか、新型コロナ禍で経済困窮した人やひとり親家庭へのアレルギー用粉ミルク・アレルギー対応食品の無償提供も2年継続して行った。学校・自治体・食品企業などでの講演活動にも取り組んでいる。
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1人あたりの原因食物の数
ときどき「食物アレルギーの人は1人で何種類の食物を『アレルゲン』として注意しなければいけないの?」と聞かれることがあります。アレルギー表示について調べたことのある人は、7品目、21品目といった数字を目にしたことがあると思いますが、食物アレルギーの人は1人でそれを全部食べられないわけではありません。実際は2~3種類の食品に反応する人がほとんどです。しかし、それよりもっとたくさんの種類の原因食物がある人も、患者全体の割合としては多くないけれどいらっしゃいます。
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- 消費者庁「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」より
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木の実類のアレルギー増加
卵、乳成分、小麦が原因の人が多いことはよく知られています。ただ最近はピーナッツ、木の実類、果物類がアレルギーの原因になっている人が増えていると専門家は指摘しています。木の実はアーモンド、くるみ、カシューナッツ、ぺカンナッツ、ピスタチオ、クリ、などたくさんの種類があります。中にはナッツの種類は違うのにタンパク質の形が似ているため、似たもの全てにアレルギー反応を起こしてしまう人もいます。そうなると食べられない食品の数が増えてしまうことになります。
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食品表示を見るのは一苦労
原材料表示には、ナッツソースと表示されていたり、くるみ、アーモンドなどと固有名詞で書かれていたりします。表示推奨21品目に含まれている木の実は書かれていてそれ以外のものは省略されていることもあります。ルールとしては間違っていないのですが、表現に幅があるため、木の実類がアレルゲンの人は表示を見るときとても苦労して食品を選んでいると思います。商品を手に取って表示を見ては戻し、をくり返している人がいても、事情があることを理解してくださいね。
おしえて!赤城さん
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Q 乳製品を家で食べる練習をしているけど、外では絶対食べないようにしている友達がいます。ちょっとなら外でも食べて大丈夫なのではないでしょうか?
A 「食べる練習」と聞くと、パクパク、ゴクゴク食べたり飲んだりすることをイメージするかもしれませんが、実はとても細かく決められた手順で口にする「治療過程」です。実際には、スポイト数滴とかmg(ミリグラム)単位で管理したものを、お医者さんの指示通りに毎日食べているのだと思います。繰り返すことで症状が出なくなる場合もありますが、なかなか増量できない場合もあります。家以外の場所でちょっと食べるのは症状が出て危険なこともあることをわかってあげてね。
- イラストはイメージです。
- 写真はイメージです。
- 2022年6月10日時点の情報です。