前回のコラム「原材料名について その1」に引き続き、原材料名表示のギモンにお答えしていきます。知って得する食品表示の見方を、Food Communication Compass代表の森田 満樹氏と一緒に学んでいきましょう!
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- 一般社団法人 Food Communication Compass 代表
- 森田 満樹氏
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東京海洋大学・大妻女子大学非常勤講師/消費生活コンサルタント。国の「コーデックス連絡協議会」、農林水産省「食品の安全性に関するリスク管理検討会」、消費者庁「食品表示懇談会」などの委員。食品安全、食品表示、消費者問題について講演・執筆活動を行っている。

- 消費者と「食」にかかわる人のための新しい食品表示がわかる本森田満樹/著
Q1. 購入した商品に原材料名の表示がありませんでした

食品表示は、容器包装の有無や販売方法によって省略されることがあります。量り売りのお惣菜や、小さなパッケージなど、以下の場合は法律上、表示の対象外とされています。
- <食品表示が省略される例>
- ・容器包装のない加工食品(天ぷらなどを自分でパックに詰める場合)
- ・店内で唐揚げやフライドポテトなど陳列販売する場合
- ・お客様の求めに応じて詰める対面販売の場合
- ・表示可能面積が小さいもの(おおむね30平方センチメートル以下)
なお、一部の食品には、食品添加物やアレルギー表示だけが書かれている場合もあります。これはスーパーのバックヤードで作られた惣菜などは、原材料名を省略してもよく、一部の項目だけが表示を義務付けられているからです。ただし、他の場所で製造・加工したものを販売する場合、原材料名の省略は原則としてできません。
Q2. 原材料名に書かれていない食材が入っていました

- 詳しく知りたい方はこちら:原材料名について その1「Q3. すべての原材料が表示されているのですか?」
原材料名には、使用しているすべての原材料が表示されているとは限りません。たとえば、複合原材料(いくつかの原材料を混ぜたもの)で、割合が少ないもの(3位以下かつ5%未満)は「その他」と表示して省略できます。また「鶏唐揚げ」のように名前から原材料が明らかな場合も、原材料の表示を省略できます。
原材料名は省略できますが、食品添加物は省略できません。原材料名の「/(スラッシュ)」の後に書かれているのが添加物です。その部分が原材料名よりも多い場合もあります。
アレルギー表示対象の28品目以外の食品にアレルギーがある人や、特定の食材が苦手な人は、製造者に問い合わせるのが安心です。
Q3. 原材料の産地を知りたいです

加工食品の原材料の産地は、一番多く使われている原材料に表示が義務付けられています。生鮮食品が原材料の場合、原産地を使われている量の多い国順に表示します。加工食品の原材料の場合は、その食品を加工した場所・製造地を表示します。
たとえばパンに「小麦粉(国内製造)」と書かれていたら、小麦は輸入であっても、日本国内で小麦粉にしたという意味です。国産小麦を使っている場合は「小麦粉(小麦(国産))」と表示されることもあります。
- <その他の例>
- ・「A国またはB国」などの複数国表示
- ・「輸入」などの大まかな表示(大括り表示)
- ・「輸入または国産」などの組み合わせ表示(または表示+大括り表示)
マメ知識表示されない原材料がある?

使われていても表示しなくていい原材料もあります。たとえば「水」。おにぎりのお米は水で炊飯していますが「水」の表示はありません。食品表示基準には水の表示について規定されておらず、製造のため水を使用した場合でも省略することがほとんどです。なお、ミネラルウォーターのような場合は表示してあります。
「ソーセージの皮(ケーシング)」なども、原材料に表示されません。ケーシングは食品表示のルールで「皮」または「包装」とみなされていて、慣例的に表示されてきませんでした。また、ヨーグルトなどに用いられる「乳酸菌」も、発酵に関わる微生物の記載は省略できるため表示されません。
これらは例外的なルールですが、基本的には使われる原材料はしっかり表示されています。原材料表示には、多くの文字が書いてありますが、重要な情報もたくさん詰まっています。関心のある方はぜひ読み込んでみましょう。
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