Vol.2【専門家に聞く】食の安全と安心を科学する
「安全第一」が本当の「安心」
画像はイメージです。
Vol.2【専門家に聞く】食の安全と安心を科学する
「安全第一」が本当の「安心」

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皆さんが食品を買うときに一番重視するものはおいしさでしょうか?それとも価格?私たち食品事業者は、何をおいても「安全」を第一に考えています。「安全第一」が本当の「安心」につながることを、NPO法人 食の安全と安心を科学する会(SFSS)理事長の山崎 毅氏に解説いただきます。
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NPO法人 食の安全と安心を科学する会(SFSS)
理事長
山崎 毅氏
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NPO法人 食の安全と安心を科学する会(SFSS)
理事長
山崎 毅氏
リスク学者/獣医学博士/東京大学農学部卒。
専門分野:食のリスクコミュニケーション
我々が本当に回避すべき食のリスクとは?気になる食の安全・安心の話題を科学的根拠とともに解説します。
「食の安全の落とし穴 最強の専門家13人が解き明かす真実」小島正美/著 山崎毅/著
Q1 なぜ「食の安全」が一番大事なのですか?
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厚生労働省の食中毒統計報告を見ると、毎月全国どこかで食中毒事故が起こっています。食品を提供するサービスで「食の安全」を維持することは、それだけ容易なことではないのです。ただ、全国に5万5千店舗以上※あるコンビニで集団食中毒などという話は聞きません。これは別に運がいいからではなく、「安全第一」を徹底しているからなのです。
- 2023年3月時点
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「安全第一」とは、提供する食品の「リスク評価」と「リスク管理」を徹底することです。食中毒のリスクが無視できるくらい小さくなれば、「安全」=事故は起こりません。「便利でおいしいお弁当」と言いながら健康被害を出したら大変です。工場では品質管理を徹底した上で「食の安全」確保のため、必要に応じて食品添加物を安全基準の範囲内で、必要最低限の種類と量を適切に使用しています。
Q2 「食の安心」も同じではないのですか?
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「食の安全」は客観的に評価できますが、「食の安心」は主観的なもので、消費者の価値観に依存します。例えば、豚肉はきちんと加熱されていれば安全ですが、豚肉が入っていると宗教上安心できない人もいます。添加物や遺伝子組換え作物を避けたい人は、これらがいくら安全だと言われても、安心できないわけです。
「食の安心」は、好き嫌いも含めた個人の価値観に依存します。事業者から情報が正確に開示されていることも大事ですが、事業者への「信頼」も「安心」の必須要件です。ですので食中毒を起こしたり、食品情報を隠蔽したりする事業者は「信頼」が得られないため「不安」になるのです。
まとめ「食の安全」と「食の安心」を切り分けましょう
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「食の安心」は価値観に依存するため、「食品情報を正確に知ること」「食品表示を確認すること」が大事です。ただ、添加物・残留農薬・原産地情報などが安全面で不安であれば、それは誤りです。これらは「安心」の話と専門家は考えます。
「安全」と「安心」を明確に切り分け、「安全第一」かつ誠実な情報公開が信頼できる事業者と評価してください。

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