Vol.6【専門家に聞く】食の安全と安心を科学する
気になる食品添加物Q&A その2
Vol.6【専門家に聞く】食の安全と安心を科学する
気になる食品添加物Q&A その2

画像はイメージです。
前回のコラムでは、「食品添加物」がなぜ必要とされているのか、そのさまざまな役割について、食の安全と安心を科学する会(SFSS)理事長の山崎 毅氏にお話しいただきました。それでもまだ「食品添加物」の安全性について不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は「その2」として、引き続き山崎氏にご回答いただきます。
-
NPO法人 食の安全と安心を科学する会(SFSS)
理事長
山崎 毅氏
-
NPO法人 食の安全と安心を科学する会(SFSS)
理事長
山崎 毅氏
リスク学者/獣医学博士/東京大学農学部卒。
専門分野:食のリスクコミュニケーション
我々が本当に回避すべき食のリスクとは?気になる食の安全・安心の話題を科学的根拠とともに解説します。
「食の安全の落とし穴 最強の専門家13人が解き明かす真実」小島正美/著 山崎毅/著
Q4 添加物の安全性はどのように確認していますか?
-
-
食品添加物の安全性は、「信頼できるデータ」をもとに「専門家」が厳しく評価しています。 具体的には、国の独立したリスク評価機関である食品安全委員会が専門家を集め、動物試験や長期間の摂取実績などを参考に、安全性を確認します。
-
-
この時に使われる安全性データは、「GLP基準」という厳格な国際基準に従って行われた実験で得られたものを中心に、信頼性の高いデータを選別して慎重に検討しています。最終的には「これなら長期摂取しても安全」と専門家が判断した摂取量をもとに、厚生労働省が使用基準を決めています。
Q5 「食べてはいけない」という記事を見ました。やはり危険なのでは?
-
-
添加物が危険という情報は、「摂取量」の観点が欠けているものが多いようです。動物試験などで食品添加物を「大量」に投与した時に起こる障害に注目していますが、どんなものでも摂りすぎれば健康被害が出ます。水や塩も多量に摂れば健康被害が出るのです。添加物も同様で、摂取量が少量なら問題にはなりません。
-
-
皆さん、かぜ薬に「1日1錠」と記載があるのに10錠飲みますか?副作用が怖くて飲みませんよね。添加物は「体に影響が出ない量の100分の1以下の量」しか使ってはいけないと決められており、食品製造者はこのルールを厳守して使用しています。摂取するかしないか、ではなく、量が適正かどうかが重要なのです。摂取量の観点が欠けた危険情報には注意しましょう。
Q6 細菌が死ぬのだから人体にも悪影響があるのでは?
-
-
添加物は食中毒細菌を殺すので、ヒトの細胞にも悪影響があるはず…とのご指摘も聞きますが、実際には極微量の添加物でも殺菌力を維持しつつ、ヒトに影響がないというデータがあります。ヒトと細菌では代謝など体の仕組みも異なるので、同じ物質でも影響が出る量がまったく違います。そのため、細菌が死ぬ量でもヒトにはまったく問題がないのです。
まとめ添加物の正しい知識と使用方法を理解すること
-
-
添加物を一切使用せず、天然の食材のみで調理・加工すると、食材本来の味がわかりますし、健康にも良さそうに見えます。また手作り調理でも衛生管理に注意すれば安全です。しかし、添加物を使用しない場合に食中毒事故が頻発しているのも事実です。添加物を適正に使って食中毒を起こさないコンビニエンスストアの方が、リスク管理が奏功していると私は評価します。添加物の正しい知識と使用方法を理解することで、毎日の食事をより豊かなものにしてほしいと思います。

おすすめリンク
-
品質のこだわり
~食品添加物使用の考え方~ 食品添加物は必要な分だけ。
セブン‐イレブンのフレッシュフードに食品添加物を使う場合は、必要最低限の種類と量だけを使います。
- 写真やイラストはイメージです。