人を育てるという喜び。従業員さんの成長が自身の生きがいに
栗原慎治さん
相模原城山川尻東店(神奈川県)
2009年8月加盟
店舗運営に関わり、仕事の面白さに目覚める
中学生の頃からプロのミュージシャンという夢を追いかけていた栗原慎治さん。16歳から始めたセブン-イレブンでのアルバイト歴が8年を過ぎた頃に転機が訪れます。
「当時働いていたお店のオーナーさんが体調を崩され、奥様からお店の運営について相談されました。その時はお世話になったオーナーさんを助けたい一心でお受けしました」(栗原慎治オーナー)
栗原さんは期せずして、店舗運営を担うことになります。
「当時の私は音楽で食べていきたいという夢もかなわず、生活するだけで精一杯。これからの人生どうするんだと漠然と考える日々でした。アルバイト先のオーナーさんはオフの時間も大切にされていたので、オーナー業は働き方の自由度が高くていいなと憧れる気持ちはありましたが、この時はまだ自分がオーナーになろうと思ったことはなかったです」(オーナー)
しかし、発注や売場づくり、シフトの調整などを始めると、仕事が楽しく感じられるようになりました。
「試行錯誤しながら売場づくりをすると、その結果が売上の数字となってあらわれます。失敗しても、自分で軌道修正もできます。自分なりに工夫して取り組み、結果を出していくことがこんなにも楽しいのかと感じ、オーナーになって自分のお店を経営することが夢になりました」(オーナー)
アルバイト先のお店が閉店することになり、それを機に栗原さんは独立することを決心します。
従業員さんの人生を背負うと覚悟を決めて
2009年にオーナーとして独立を果たした栗原さん。しかし店舗経営は、最初は思うようにいかず、焦りや戸惑いも感じたそうです。
「自分の思い通りにお店をつくって、自分の指示通りに従業員さんが動いてくれれば、お店は経営できると思い込んでいました。いくらオーナーだといっても、適切な指示も出せない、対応もできないでは誰もついてきてくれません。私の考えが甘かったのだと思います」(オーナー)
栗原さんが指示を出しても、従業員さんは思うように動いてくれず、中にはやめてしまう人もいたそうです。
一緒に働いてくれる従業員さんがいなければ、お店は維持できません。従業員さんと一致団結して売場づくりや、お客様への声かけを行うからこそ、商品が売れます。自分一人ではお店は成り立たないことを忘れていたと、栗原さんは当時を振り返ります。
「私が従業員さんを大切にしていないから、売上が伸びないのも当然で、このままではいけないと痛感しました。その時に、もしも私のお店ではなく、ほかのお店で働いていたら、その従業員さんの人生は違っていたのではと考えたのです。ご縁があって私のお店で働いてくれる従業員さんの人生に責任を持つという覚悟を新たにし、従業員さん一人ひとりと真剣に向き合うよう努力しました」(オーナー)
オーナーとしての責任を果たすと覚悟を決めた栗原さんは、従業員さんへの対応を見直しました。すると従業員さんの働く姿勢も変わり、明るく活気のあるお店に変化していきました。
「従業員さん一人ひとりをしっかり見るようにしています。業務をお願いする時も、教える時も、自分のやり方を押し付けるのではなく、相手の気持ちになって考えた言動を心がけています」(オーナー)
栗原さんの気持ちが切り替わったのは、OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)の存在も大きかったそうです。
「店舗運営のことはもちろんですが、若くて社会のことを知らない私に、社会性や人間性の大切さまで教えてくれました。私がオーナーとして成長できたのは、OFCさんがいたからこそ。本当に感謝しています」(オーナー)
独立支援は、従業員さんへの恩返し
順調に店舗数を増やしていく中で栗原さんは、自身のお店を、オーナーを目指す従業員さんが、自信を持って独立するための学びの場にしたいと考えるようになります。その背景には、今の成功は、従業員さんの支えによってあるという感謝の気持ちがありました。
お店で働く従業員さんと話をしていく中で、実は独立したいと考えている人が多いと気づきました。「セブン-イレブンなら、その夢にチャレンジできる」と考え、独立を目指す従業員さんのサポートに力を入れるようになりました。
「若かった頃の私は自分が社会の落ちこぼれのように感じていました。それがセブン-イレブンのオーナーになって、生活が安定し、公私ともに自立することができました。ここまで来ることができたのは従業員さんの支えのおかげです。少しでも恩返しがしたい。独立という夢を持つ従業員さんがいるなら、その夢をかなえられるよう全力で応援することが、感謝の気持ちを還元する一つの方法と考えています」(オーナー)
オーナー志望の従業員さんには、店長として業務全般を担当してもらいます。その中で発注や売場づくり、経費の管理といった経営はもちろんのこと、店舗運営に欠かせない従業員さんの育成も実践しながら学んでもらいます。そして自分の後任となる人材を育て上げてオーナー学習は修了。栗原さんは、そのすべてをサポートし、これまで5名の従業員さんの独立を後押ししました。
巣立ったオーナーさんは心強い仲間
独立を目指してがんばる従業員さんと一緒に働くことで刺激を受けるのか、ほかの従業員さんの働く姿勢も前向きになるという相乗効果があると栗原さんは言います。また従業員さんたちが独立を果たしているお店だと聞き、独立を考えている人が「働きたい」と入店を希望するケースも増えているそうです。
「夢を持つ人たちが集まると、店全体が活気づきます。従業員さんたちが成長していく姿を見るのが私の生きがいでもあります。独立されると、せっかく育った人材が減ると思われるかもしれませんが、そんなことはありません。心強い仲間が増えるだけです」(オーナー)
独立したオーナーさんたちとは、今も良い関係が続いているそうです。プライベートで遊びに行くこともあれば、仕事の相談を受けることも。
「それぞれのオーナーさんの個性を尊重しているので、干渉したりはしません。しかし仕事の相談をしてくれるオーナーさんもいるので、その際はしっかり答えています。一番多い相談は、やはり人を育てることですね。従業員さんをどうやって教育していくのかについて悩むオーナーさんが多いですが、従業員さんが成長してくれることが、安定した店舗運営に欠かせないポイントだと考えています。オーナーの仕事は、従業員さんに気持ち良く働いてもらって、お店を運営していくことですから、その軸を忘れないようにと伝えています」(オーナー)
魅力あるオーナーという仕事に、ぜひチャレンジを
現在、相模原城山川尻東店で店長を務めている逢坂則之さんも、独立を目指し、栗原さんのもとでオーナー業を学んでいる一人です。
「従業員さんの気持ちになって考え、こんな言い方をしたらどんな反応をするだろうということまでしっかり考えるようにと何度も言われました。従業員さんやお客様との関わりを大事にする栗原オーナーのように、アットホームなお店をつくっていきたいです」(逢坂則之店長)
「オーナーになることに不安を感じるかもしれませんが、自分には何の強みもないと思っていた私でもオーナーになれました。本気になれば誰でもオーナーになれるということを伝えたいです。もちろんお店の運営は大変なこともありますが、自分がお店を回していくのだと意識が変わった瞬間から、やりがいが加速します。私は趣味が多いのですが、それでも家族との時間や趣味を楽しむ時間も十分に確保できています。そしてなにより、素晴らしい仲間に恵まれるオーナーという仕事の魅力を多くの人に知ってもらいたいです」(オーナー)
「これからもオーナーになるという夢を持った従業員さんを応援し続けたい」そう語る栗原さんの喜びは、大切にしていきたいと思える仲間に出会えること。そして、仲間の成長を日々感じられることにあるようです。
オーナーからのメッセージ