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人生のキセキ
セブン-イレブンとともに

地域とつながり
共に成長する
店を増やしたい

  • 13
  • 勝又 文揚ふみあき=写真左

セブン-イレブン長泉桜堤ながいずみさくらづつみ2丁目店オーナー

店で出会った勝又さんと妻・伶佳さん(32)。
「これまでつらいと思ったことはない」と言う勝又さんの言葉を聞いて、
「私たちセブン-イレブンがやっぱり好きなんです」と、伶佳さんは笑った

生まれ育った
地元の暮らしを
もっと豊かに

  • 13
  • 勝又 文揚ふみあき=写真左

セブン-イレブン長泉桜堤ながいずみさくらづつみ2丁目店オーナー

16歳の時、近所のセブン-イレブンでアルバイトとして働き始めた
29歳でオーナーとして独立してから改めて、地域とつながる商売の奥深さを知る。
地元の人が集まるコンビニこそ、いつも開かれた場所でありたい。
みんなで汗をかき、努力すれば誰もが活躍できる、そんな店をつくり続ける。

16歳の時、近所のセブン-イレブンで
アルバイトとして働き始めた。
29歳でオーナーとして独立してから改めて、
地域とつながる商売の奥深さを知る。
地元の人が集まるコンビニこそ、
いつも開かれた場所でありたい。
みんなで汗をかき、
努力すれば誰もが活躍できる、
そんな店をつくり続ける。

「まさか自分がお店の経営者になるなんて、まったく思っていなかったですよ」


富士山のふもと、静岡県の東部に位置する「セブン-イレブン長泉桜堤2丁目店」オーナーの勝又文揚さん(37)は、そう笑う。


──15歳の春、高校受験に失敗した。幼いころに父を亡くし、一人で自分を育ててくれた母親に申し訳ない。これからどうしよう。失意の底から救ってくれたのは、塾の帰りによく立ち寄っていた近所のセブン-イレブンのオーナーだった


「うちで働くか?」


そのひと言に恩義を感じ、勝又さんは店で働く決意をした。


「最初は週2回のアルバイトでしたが、みんなにかわいがってもらったし、仕事を任されるのがうれしかった」


わずか16歳。勝又さんの商売道は、ここから始まった。

忙しくても家族の時間を大切にするのが勝又家のルール(2018年夏、千葉県での家族旅行のひとコマ)

チラシで来店動機をつくる

「10代のころは、やんちゃだったんですよ」と頭をかいた勝又さん、縁あって出会った当時のオーナーから仕事を学び、20歳で店長に。そして23歳で当時、店の従業員だった伶佳さんと結婚、まもなく3児のパパになった。



「母子家庭で育ったこともあり、早く落ちついて『守るもの』がほしかった。家族ができたことで、仕事に対する考え方が変わったと思います」



自分だけでなく店で働く後輩の従業員たちに、もっと活躍させてやりたいと思うようになった。29歳の時、今の長泉桜堤2丁目店をお世話になったオーナーから譲り受け、独立。オープン当時、将来はできる限り店を増やし、努力している従業員たちに任せてやりたい、そんなアニキ分としての責任感が湧いたという。



「どこよりもいい店にして、以前よりたくさんのお客さまに来ていただきたい!そんなふうに気合が入りました」



オーナーとなって心機一転、目指した店は、人が集う店だ。



近所で生活する誰もが「店に、つい行きたくなる」ような"来店動機"を絶えずつくっていこうと考えた。率先して力を入れたのは、自身を含めた3~4人のチームで行う、チラシを配る作戦。改装のため数日間休業した時はリニューアルオープンを告知し、その後もセールやキャンペーンのたびに、地域の方へ一枚ずつチラシを配り歩いた。



もともと街道沿いの店なので、多くの住民は無意識のうちにセブン-イレブンの看板を目にしていただろう。だが、直接チラシを受け取ると「行ってみようか」という気が起きるのが消費者心理だ。実際、「チラシ作戦をしてから、1日の売り上げが徐々に伸びてきた」と勝又さんは言う。



副次的な効果もあった。接客は不得手でも「チラシを配るだけなら」という若い世代のアルバイトも多いと気づいた。人手不足の折、それでもいいから手伝ってほしい気持ちはあるが、勝又さんはちゃんと先を考えて仕事を任せる



「配るだけといっても、町を回るうちに常連のお客さまと顔なじみになる。チラシ配りは、人づきあいに慣れていない若者たちが、地域とつながるチャンスなんです。だから、やらせてあげたい」



攻めの商売で地域を支える

集客作戦は、まだある。外へ注文を取りに営業に出る「御用聞き」だ。



「御用聞きは店長時代からやっていたんですが、オーナーになって一層頑張りましたね。商売は待っているだけじゃだめ。こっちから攻めていかないと」



天性のアクティブさと、地元で生まれ育った人脈が生きている。こんなケースがあった。美容院で働いていた友人が独立したのを機に、週刊誌や月刊誌の定期配達を勧めに出向いた。すると「便利だ」と評判を呼び、近くに新しい美容院ができるたびに注文が来るように。今では、7軒の美容院に雑誌を届ける。



また、町を回ると発見がある。放課後、保護者が来るまで学校に残って学ぶ「児童会」(学童保育)に参加する子どもがたくさんいることを知った。



「みんな、おなかがすくでしょう。おやつを届けられないかと考えたんです」



学校や保護者と話し合い、菓子だけでなく、揚げ物やおにぎりといった軽食の注文を受けるようになり、決まった日時に届けるようになった。何より「セブン-イレブンの商品だから安心だ」と、先生や保護者が喜んでくれたのがうれしく、従業員の励みにもなる。今では9カ所の児童会に配達するまでに、取り組みは広がっている。

パートさんだけでなく、10代から30代半ばまでの男性従業員が多い。
「しっかり働いて、オーナーみたいになりたい」と、全員が言う

未来は誰にもわからない。

努力を重ね自分の力で

切り開くものだ。

人とのつながりが原点

こうした地域に密着した攻めの商売で、長泉桜堤2丁目店の来店数は増えていった。転機が訪れたのは、オーナーになって2~3年経った時だ。地元で飲食店を営む友人から「異業種交流会に来ないか?」と誘われた。



「裾野青年会議所の定例会だったんですが、話を聞いて、自分でもびっくりするくらい刺激を受けたんです」



地元で商売を営む自分と同じ世代の若い経営者たちが、志を持って地域貢献する活動に共感した。仲間にはパン屋、家具店、運送業、理容師、建築業など、多彩な業種の者がいる。それぞれの商売の考え方から刺激をもらい、「自分には何ができるのか」と、セブン-イレブンという店の存在意義を考えるようになった。



店の明りが地域の防犯になっていること、ふだんの買い物をする場所として人々から頼りにされていること──日々の忙しさで忘れていた「当たり前」を、地域住民と深く関わったことで、勝又さんは客観視できるようになったのだろう。店を起点に、地域をさらに盛り上げたいという気持ちが強くなっていったという。



2015年、地元・裾野市と長泉町の青年会議所などが合同で、春のイベント「サクラサクマツリ」を立ち上げた。見どころは、店のすぐ裏手に広がる桜並木。今では恒例になったイベントの時は、従業員ほぼ総出でお客さまを笑顔で迎える。



「祭りの時は人が集まるので、当然、店の売り上げは上がります。でも狙いはそこだけじゃないんですよ。店を介して、人が出会い、つながり、仲間が増える。これもやりがいにつながるじゃないですか。従業員たちも張り切ってくれています」



前向きな勝又さんに影響を受け、従業員の中には店長を目指す者も出てきた。16年に2号店「セブン-イレブン三島二日町店」、18年に3号店「セブン-イレブン函南柏谷店」がオープン。各店で、徹底的なチラシ配りを遂行するなど、"勝又流"の地域に根ざす商売が広がってきた。



「みんな、パワフルなオーナーについていきたいと思って頑張っているんです」



と、1号店の長泉桜堤2丁目店の店長、千頭和祥平さん(25)。その言葉を勝又さんに伝えると、「うれしいっすね!」と、満面の笑みになった。

息子を働かせてほしい

思えば、勝又さんはまだ37歳。「オーナーだからって楽するつもりはないですよ。店で先頭を突っ走って、従業員に背中を見せたい」と、勢いは止まらない。だが一方で、コンビニ歴20年を超え、店を続けるうえでの課題もわかっている。



長泉桜堤2丁目店の売り場を見渡すと、総菜から雑貨まで幅広い品ぞろえをしているうえに、話題となっている商品や新しいスナック菓子類なども充実。子どもから高齢者まで、幅広い来店客層がうかがえる。



「若い従業員が多いので、彼らから流行を聞いて勉強して、品ぞろえを広げているんです」



何でも学びととらえ、吸収する勝又さんの姿勢に共感し、「うちの子、使ってください」と親が頼みに来るケースがたびたびある。自身が16歳から店に出ていたので、若い世代を応援したいが、昔とは違う環境に戸惑うことがある。



「今の若者たちはインターネットを使って知識はあるけど、人と深く関わった経験が少ない。だから最初は、レジでお客さまと向き合うことが怖いらしいんですね。業務内容の前に、相手を敬ったり、思いやったりする気持ちから大人がきちんと教えてやらないと。時代は変わりましたよ」

16歳の時から働いているという長泉桜堤2丁目店の店長、千頭和祥平さん。「チームワークが良くて、本当に楽しい店ですよ」と語った



仲間とともに成長したい

面倒見のいい勝又さんの店の雰囲気は、どこか部活のようだ。お客さまと従業員の話し声も、従業員同士の仕事の段取り風景も、テキパキと元気がいい。



「オーナーは、人を巻き込む力があるというか、持ち前の人懐こさもあるので、いつも店が明るいんでしょうね」



と、今も店で働く妻の伶佳さんは言う。リーダーシップだけでなく、毎日定刻になると2号店、3号店の店長から売り場の様子をメールアプリで送ってもらい、チェックする緻密さも勝又さんの商売の流儀だ。



これからの夢を聞いてみると、勝又さんは「うーん」と腕を組んで、考え込んだ。



「夢って具体的にはまだないですよ、自分も勉強中ですから。このまま突っ走って、みんなと成長していくだけ。そしてやっぱり、早く若い世代に任せてやりたいな。社会の環境もコンビニのあり方も、ものすごく変わっているんですから、世代交代すべき点は思い切って任せていかないと」



人生は逆算だ。なりたい自分になるために何をすべきか、10代のうちから決めなきゃ間に合わないと、勝又さんは人生の先輩として若い従業員によく話す。この熱意が、人を惹きつけるのだろう。



「みんな、頑張っていこーぜ!」



売り場に、勝又さんの声が響く。

感謝


SHOP DATA

セブン-イレブン長泉桜堤ながいずみさくらづつみ2丁目店

住所
静岡県駿東郡長泉町桜堤2-13-6
特徴
2011年8月4日オープン。御用聞きや地域貢献にも力を入れる。16年に「セブン-イレブン三島二日町店」、18年に「セブン-イレブン函南柏谷店」も開店

SHOP DATA

セブン-イレブン長泉桜堤ながいずみさくらづつみ2丁目店

住所
静岡県駿東郡長泉町桜堤2-13-6
特徴
2011年8月4日オープン。御用聞きや地域貢献にも力を入れる。16年に「セブン-イレブン三島二日町店」、18年に「セブン-イレブン函南柏谷店」も開店