セブン‐イレブンの横顔2022-2023
Interview 05
誕生から10年。
セブンカフェは
新たなステージへ
セブン-イレブン・ジャパン
商品本部 
FF・菓子・アイス部
総括マネジャー
Kousei Sonoda
幾度もの試行錯誤を経て
こだわりのセブンカフェが誕生

2013年1月の発売開始以来、お客様から多大なご支持をいただいているセブンカフェは、パンやお菓子といった軽食類の売上増にも貢献しただけでなく、コンビニエンスストアに「癒しの場」としての価値を付加し、いわゆる「コンビニコーヒー」という新たな市場を創出し、現在も市場のトップランナーとして成長を続けています。

しかし、ここまでの道のりは決して平たんなものではありませんでした。最初の取り組みは創業直後にスタート。まずはつくり置きを小分けして売るデキャンタストーブ式、続いてカートリッジ式を導入しましたが、いずれも大成功にはいたらず。2001年には3回目の挑戦として当時のシアトルコーヒーブームで注目されたエスプレッソコーヒーの販売に乗り出しましたが、こちらも方向転換を余儀なくされました。

そこで、次に目指すべきコーヒーの大きなヒントとなったのがセブン‐イレブンの人気商品「おでん」でした。おでんに欠かせないだしは、日本の軟水を使うと最もおいしく仕上がります。おいしいコーヒーを淹れるには水も重要なんだ、ここに思いいたった私たちは「外国の流行をそのまま採り入れるのではなく、軟水文化の日本に適した淹れ方で、日本人の味覚に馴染むコーヒーをつくる」という課題に挑むことにしたのです。

コーヒー豆、マシン、ブランドデザインなど各分野の専門家を集めたチームで議論を重ね、原材料(厳選されたアラビカ豆を100%使用)、焙煎(ダブル焙煎、1杯取りペーパードリップ)、見た目(ブランディングデザイン)に徹底的にこだわった、日本一のコーヒーを目指しました。そして2年間の試行錯誤の末にペーパードリップ式の専用マシンを開発。香り豊かで日本人に馴染む味わいのコーヒーを一杯ずつていねいかつスピーディーに提供する「セブンカフェ」が誕生しました。

さらに進化を続けるセブンカフェ
新たに「お店で作るスムージー」を全国展開

しかし、セブンカフェの導入は新たな挑戦のスタートでもありました。変化の速い時代、目まぐるしく変わるお客様のニーズを満たすべく、商品の味や種類を何度も見直し、ブラッシュアップを続けています。2022年7月には「軽め」「ふつう」「濃いめ」の3つの味わいを選べる新機能を追加。「すっきりしたい朝は濃いめ、リラックスしたい夕方は軽めを選べてうれしい」などとご好評をいただき、売上は好調に推移しています。

さらにお客様の健康志向の高まりを受けて、これまで一部店舗にて先行販売していた「お店で作るスムージー」の店舗拡大を決定、2024年2月末までに全国での販売を目指して順次導入を進めているところです。わずか約70秒で完成するフレッシュなスムージーは、発売以来、大変ご好評をいただいており、コーヒーやカフェラテとは違う層のお客様にもカウンタードリンクをご利用いただくきっかけを生み出しています。

実は「お店で作るスムージー」は身体だけでなく環境にもやさしい商品です。通常は廃棄されてしまうブロッコリーの茎部分や、これまでは大きさや見た目の問題で規格外となってしまっていたいちご、バナナ、マンゴーなども原材料に使われており、フードロスの低減や生産者応援にもつながっています。

商品開発とは
課題解決への挑戦

私自身、20年近くセブン‐イレブン・ジャパンでセブンカフェをはじめさまざまな商品の開発にたずさわってきましたが、今、実感しているのは、商品開発とは、課題解決への挑戦だということです。お客様のニーズにどうやって応えるか、どうすれば社会問題の解決に貢献できるのか。セブン‐イレブンの商品開発にゴールはありません。今後もお客様の声に真摯に耳を傾け、ご協力いただける企業の皆様のお力も借りながら、より良い商品・サービスを生み出し、皆様のより豊かで快適な生活、そして持続可能な社会の実現に向けて努力してまいります。