Interview『できない』を強みに変えたら、
世界が大きく広がった

キャリア入社

1999年入社

職業能力開発校 経理事務科 卒業

K.S.

オペレーション本部 加盟店サポート部

※2025年6月時点

History

  • 2022年2月
    加盟店サポート部
    2019年3月
    オーディター部 棚卸リーダー
    1999年 7月
    オーディター部 オーディター担当
    1999年7月
    入社

入社初日にかけられた、忘れられない言葉

私は今、オペレーション本部に所属し、担当するエリア内の店舗で行う「実地棚卸」を統括するチーフとして働いています。棚卸は、加盟店オーナー様からお預かりした「財布」の中身を数えるような仕事です。一つでも数を間違えれば店舗の経営に影響が及ぶため、精度とスピードの両立が求められます。
この仕事との出会いは、SEJの入社面接でした。私は高校時代に、バイクの事故で左手に障がいを負いました。ただ、できれば体を動かす機会の多い外回りの仕事に就きたいという希望を面接担当者の方に伝えたところ、この実地棚卸の業務を提案してくださったのです。
入社初日、人事担当者の方からはこんな言葉をいただきました。
「K.S.さんは障がい者採用での雇用ですが、私たちはK.S.さんのことを一人の社員としてみます、特別扱いをすることはしません。ただ困った時や難しいことがあれば、遠慮なく教えてください。一緒に考えて、必要なサポートをします。」
この言葉を聞いたとき、心から嬉しく思ったことを今でも記憶しています。

チーム戦だから、できないことはしっかり伝える

実地棚卸では、店舗の規模に応じて3人~8人くらいのチームを編成して担当店舗に伺います。午前と午後で2回の実地棚卸がある日もあれば、本社で伝票整理やミーティングなどを行う日もあります。
左手に障がいがあるため、配属当初は、両手で作業する人と同じ手順では仕事が進められないこともありました。常に「どうすれば効率が上がるだろう」と考え、試行錯誤しながら仕事を覚えていきました。おかげで、バックヤードで積み上げられた段ボールを下ろしたり、商品を素早く数えたりといった作業は、片手であってもスピードや精度を落とさずに進められるよう、工夫するようになりました。
それでも、どうしても自分では効率が下がってしまう作業もあります。例えば、おでん。おでんは一つひとつの具材が鍋に入っており、お箸を使って持ち上げたりしてそれぞれの具材の数を確認しつつ、同時にメモをとらなければなりません。
こういった作業はどうしても片手では効率が下がるため、チームメンバーに担当してもらっています。その代わり、自分が最大限に活かせるところを積極的に引き受けるなど、常にバランスを意識してお互いに補い合っています。自分の弱みを素直に伝えたことで、チームとして最高のパフォーマンスを出せるようになりました。

「ずっとあなたに担当してほしい」感謝の言葉が原動力に

私が心がけているのは、常に相手の立場に立って考え、実践すること。実地棚卸中は品出しができないなど、店舗の業務に支障が出てしまうことがありますが、できるだけ店舗の従業員さんの仕事が止まってしまうことのないように細心の注意を払っています。
こうした配慮が実を結んだのか、オーナー様からは「とてもやりやすかった、ありがとう」「またこのチームで来てね」と感謝の言葉をいただくことが増えました。
実は、一度だけですが「一生このチームで来てほしい」と言われたこともありました。その時は、全ての疲れが吹っ飛ぶくらい、本当に嬉しかったですね。仕事は大変なことも多いですが、こうした「ありがとう」という感謝の言葉は、最高のモチベーションになっています。

自分次第で、どんな仕事もやりがいを見いだせる

どんな仕事でもそうですが、やっぱり最終的には人と人との信頼関係が大切だと感じます。棚卸業務は、バックヤードで一人で商品の数を数えることがメインだと思われがちですが、それだけではありません。精度と速さが同時に要求されるからこそ、チームワークがとても大事になってきます。
この仕事で学べるのは、棚卸の知識だけではありません。チームマネジメントや、リーダーとして組織を動かす方法など、自分の視野や意識次第で、キャリアの基礎となるスキルも身につけることができる仕事でもあるのです。
自分の元チームメンバーで、その後、オペレーション本部を経てDMになった方が「棚卸の仕事を経験できて良かった」と言ってくれていると聞いたときは、この方のキャリアに自分が役に立てたことを、とても嬉しく思いました。今後は、チャンスがあれば、社員のサポートや育成などの仕事にも携わっていきたいと考えています。
仕事は、自分次第でいくらでも楽しく、やりがいのあるものに変えることができます。不安なことも多いかもしれませんが、まずは言われたことを素直に実行する。その後、自分で仕事を工夫したり、関心を広げることで、見えてくる世界はどんどん広がっていくはずです。

担当ジョブコーチ(明星)から一言

彼のように、自らの特性を理解し、周囲と協力しながら成長していく姿は、当社が目指す「誰もが活躍できる職場」の象徴です。彼の前向きな姿勢と行動が、職場に自然な支え合いの文化を育んでくれました。
セブン‐イレブン・ジャパンの多くの職場では、障がいのある方だけでなく、育児や介護など、さまざまな事情を抱える社員がチームとして働いています。彼の存在は、そうした多様な状況の中でも、互いに助け合いながら働ける職場づくりに大きく貢献してくれています。